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最近、坪単価20万円代と広告している住宅会社があります。
数年前は、坪単価45万とか40万とかがあたりまえでした。
いつのまにこんなにも安くなったんでしょうか?
建築設計事務所の立場から言えば、
坪単価40万円でも「なんでそんなに安く出来るの?」
って思っていたのに、世間は広いです。
今は坪単価20万円代の時代です!
「企業努力&大量受注でそんなに安くできるのか〜」
とても太刀打ち出来ないと個人事務所に所属する私は落胆していました。
しかし、最近坪単価20万円台の秘密を知ってしまったのです。
あの金額は、今まで一般的に使われてきた坪単価とは意味が違ったんです!
一般に坪単価を計算する時は、延べ床面積は屋内部分だけです。
(述べ床面積とは、2階建ての家なら、1階の床と2階の床の面積すべてを足した面積のこと。シャッター内のガレージ部分は屋内として計算します。)
述べ床面積が30坪で、建設費が1200万円とすると、
坪単価は1200÷30で40万円ということです。
しかし、坪単価20万円代の会社は、述べ床面積を施工床面積という言葉に置き換え、
本来、述べ床面積が30坪の家でも、40坪以上あるようにしてしまうのです。
どういうことか?
まず玄関扉の前にあるポーチ(タイルが貼ってあり、地盤面より一段上がっている部分)を床面積に含みます。
つづいて、シャッターのない完全な屋外のガレージも床面積に含んでしまいます。
バルコニーももちろん含んでいますが、施工床面積を大きくするため、屋根にはルーフバルコニーと称する、やけに大きなバルコニーが提案されていました。
通常、これらは、坪単価を計算する時は床面積に計算しませんが、実際の工事ではポーチにはタイルを貼ったり、
バルコニーには防水工事が必要になりますので、
それらの部分を床面積に算入することは、ある程度納得は出来ます。
しかし、壁・床・天井があるリビングと床だけのポーチやガレージが同じ坪単価というのはおかしいです。
さらにビックリしたのが、バルコニーの下の部分も床面積に算入されていたのです。
これまたどういうことか説明しますと、
2階にあるバルコニーは1階の外壁面よりも飛び出した間取りでした。(このような間取りはよくあることですが)
当然、2階のバルコニーは床面積に算入されているのですが、ビックリしたのは、そのバルコニーの下にある庭も床面席に入っていたのです。
バルコニーを支える柱とかもまったくない、ただ空気があるだけのその空間を施工床面積として算入しているのです。
このような計算方法で、床面積を大きくし、結果坪単価が安いような広告をしているのです。
坪単価20万円代と広告している住宅会社を全部調べたわけではないので、それらの会社がすべてこのような計算のトリックを使っているかは分かりませんが、
今回、ご紹介した事例は、かなり有名な大手不動産会社が使っているやり方です。
その会社は坪単価20万円代後半の金額をアピールしていましたが、
本来の床面積で計算してみると、結果、坪単価は42万円になりました。
知り合いの、町の工務店の社長にその間取り図と、見積書を見せたら、うちでも同じものが、同じ金額で出来るよって言ってました。
つまり坪単価20万円代は決して安くないということです!
そもそも坪単価はかなりアバウトな表現になります。
これはある住宅の工事金額見積もり書の1ページです。

文字が小さいので見ずらいですが、柱1本の値段まで細かく載っています。
この住宅の場合、特別に豪邸というわけでもないですが見積もり書は全部で77ページでした。
▼詳細な見積書がいる理由
これだけ細かい見積もり書を作るには、もちろん適正な工事金額かどうかを把握することも一つですが、もう一つ重要な意味があります。
家は半年近くかけて創るので、
「やっぱりここはタイル貼りにしよう」とか、
「もうワンランク下のフローリングでもいいんじゃない」など
工事途中で設計変更されることもよくあります。
設計変更した部分は工事完了時に、追加または減額というかたちで清算することになりますが、
見積もり書の内容が詳細ではなく、なんでもかんでも一式という表現になっていると、どこの部分にいくら掛かっているのか判断できず、施工業者のいいなりのまま清算することになり、
設計変更によって実際にかかった金額より多く請求されたり、
材料のランクを落としたつもりでも、あまり減額されなかったりと、
施工業者の都合のいいようになってしまいます。
「設計変更なんて一切しない!」という方はいいですけど、
たいがいの方は、いざ工事が始まり、我が家が形になってくると、
いろいろとアイデアが思いついて変更されるんですよ! |