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「紙にエンピツで図面書くだけで何百万の設計料を貰えるなんていい仕事だな」なんていう友達がいたので建築設計事務所の仕事について少し説明。
友達は建売住宅を買っちゃったので知らないのです。
結構大変仕事なのに。
友達の言うように、建築設計事務所の仕事で一番時間を占めるのは設計図を書くことですが、今はエンピツ、消しゴム等の製図道具は全く使わず、コンピューター上で作図しています。いわゆるCADってやつです。
一般の人はCADを使えば簡単に図面が出来ると勘違いしているようです。
確かに、CADによってエンピツで作図していた頃に比べると格段に便利になりました。
うちの事務所の所長は今65歳ですが、CADのおかげで製図の仕事も現役でこなしています。
昔なら年をとると細かい図面は目に負担がかかりとてもそんな年まで製図の仕事をするのは難しかったらしいですが、今は画面上で何倍にも拡大しながら製図の仕事が出来る便利な世の中になりました。
しかし、便利と簡単は必ずしも一致するものではありません。
CADの中には3DCADと呼ばれる、優れた仕事をするものがあります。間取りを入力すると、同時に建物の姿図や各部の詳細な図面を作図してくれ、事前に設定さえきちんとしておけば見積もりまでしてくれるから感心です。
以前、うちの事務所でも3DCADメーカーのデモを見た所長が即導入し、僕も講習を何回か受けさせられたのですが、今では誰も使っていません。
実際の仕事では全くの役たたずでした。
建売住宅やハウスメーカーのように仕様が決まっていて、間取りだけを変更するという設計には3DCADはいい仕事をすると思います。
しかし、建築設計事務所の仕事は物件ごとに仕様が全く違います。
家族によって違うこだわりには3DCADはたちまち対応出来なくなるのです。
結果、手間はかかりますが、紙にエンピツで図面を書くような感覚でCADを操作して製図の仕事をしているのです。
CADに興味のある方は下記のサイトより無料でダウンロードできますよ。うちの事務所でもこのソフトを使っていますし、他の建築設計事務所でもかなり使われているすぐれものです。
JW_CADのダウンロード先→ http://www.jwcad.net/
製図の仕事について長々と書きましたが、建築設計事務所全体の仕事からいうと、重要なのは、ここからです。
▼仕事の内容を順番に紹介します。
■建築主との打ち合わせ
普通は、平日はご主人が会社にお勤めのため、打ち合わせは、休日か平日の夜になることが多いです。なので、日曜も仕事することは多いのです。
■建築確認申請書の作成・提出
最近では、姉歯さんの構造偽装事件で、イーホームズという会社がマスコミで取り上げられていましたので、どういう仕事内容かご存知の方もいると思います。
簡単にいうと、あなたの家を建てても建築基準法上問題ないかチェックしてもらう仕事です。
確認申請用の図面や書類を作って提出するのですが、ここ数年は民間の検査機関が出来たのでだいぶ申請期間の短縮になりました。役所に提出すると3倍くらい時間がかかっていたのでさすが民間企業という感じ。コーヒーが出たりするとこもあるのです。
■設計図の作成
簡単な間取りから始まり、最終的には詳細な図面を何十枚も作ります。
木造2階建てでも30枚くらいの図面は必要になります。
■内外装の仕様・設備器機選び・照明器具選びなど、
あなたのこだわり実現のための準備
内装選びは楽しいです。
みなさんも家作りの中でここが一番興味あるんじゃないでしょうか?
しかし、床・壁・天井の組み合わせは無限にあります。
その中で、2つから3つに候補をしぼるのは非常に頭を使いますのですごく疲れます。
建売なんかは、照明器具は家を購入したあとで、電気屋さんで買ってくることになりますが、
注文建築では、照明器具選びも家づくりの重要なポイントになります。
建築設計事務所として照明器具の候補を提案するのですが、
驚くほど種類があり、電気屋さんでは売っていないかっこいい照明器具もたくさんありますので選択は結構時間がかかるのです。
■工事現場の監理
管理ではありません。監理です。
職人さんが、図面どおりに家を造っているか、数日おきに工事現場に確認に行きます。
20代の時は現場監理に行っても、職人さんになめられて大変でした。
建築士にひげを生やしている人が多いのも貫禄を出して、職人さんになめられないようにするためかも。僕はヒゲはまだ生やしてません。所長はもちろんヒゲ親父です。
■工事金額の見積もりチェック
ここは重要です。
工務店が見積もった見積書を全項目チェックします。
ハウスメーカーの見積書と違って、一式でいくらという書き方はしてません。
柱1本単位で詳細に見積もられています。見積もる工務店も大変ですが、それをチェックするのもまた大変です。
■あなたと工務店がする工事請負契約に立会います。
何千万もの買い物になるので、契約なんて固い言葉を聞くと心配になると思います。
そんな時は、建築事務所に同席してもらいましょう。
■中間検査・完了検査の実施
中間検査とは、家の骨組みが出来た段階で、構造上問題ないか確認することです。
通常は、建築事務所と工務店、それから役所検査官(最近は民間業者ですが)の3者で行います。
家が完成したら壁の中や床下は見ることが出来ないので、時間があれば、あなたも立ち会ってみてもいいと思います。
完了検査は法律的に問題ないかどうかチェックする検査と、内装にヒビやキズなどがないかチェックする検査とに分かれます。法律チェックの為の完了検査は特に立ち会う必要はありませんが、仕上がりチェックの完了検査は必ず立ち会って下さい。この時、設備機器の説明なんかも同時に行うことがおおいので、家族揃って行ったほうがいいです。
■建設費の清算チェック
工事中に追加工事が発生した場合、また予定していた工事を取り止めた場合は、家が完成した後に建設費の清算をすることになります。もちろん追加工事の場合は、工事中に追加金額の見積書が提示されますが、追加工事は割高に請求したり、色々と理由をつけて見積もり金額より多く請求してくる業者もいます。
素人のあなたは、訳がわからぬまま強引に押し切られてしまうとも限りません。
こんな面倒なやり取りも建築事務所にまかせて下さい。工事金額の増減については後日建築事務所があなたが納得いくまでしっかりと説明してくれるでしょう。
■完成後のメンテナンス
建築事務所によりますが、完成後1年とか3年たった節目に家の状態をチェックしてくれます。気になってはいたけど、わざわざ工務店に連絡するほどではないようなことなどは、この機会にささいなことも伝えましょう。建築事務所から工務店に連絡してくれ、あなたの気になることを解決できます。
簡単に書きましたが、建築事務所の仕事の流れは以上のような感じです。
結構大変な仕事でしょう?
実際は、もっと細やかに家づくりのサポートをしなくてはいけないのです。
家が完成した時は十分設計料に見合った仕事だと満足されると思いますよ! |